2020/5/30
畑仕事をしていたら、青菜が育っているのに気づきました。そういえば、にんじんを蒔いた場所に「もしかしたら発芽しないかもしれないから」(にんじんは発芽が難しく、そして実際発芽しませんでした)、自家採取した青菜の種らしきもの(名前を書き忘れた)をばらまいたことを思い出しました。
これをすっかり抜いてしまって、お昼ご飯にしよう、と家に戻るとひと月ほど前に注文して、ほとんど忘れかけていたパンが届いていました。 畑の青菜の最大の難関は、ずばり、洗うこと。ちいさいものも混じっているのと、細かな枯草が絡みついたりもして、きれいに掃除するのにゆうに10分以上はかかりますが、その甲斐はあります。 おいしいじゃがいもが最後の数個残っていたのを蒸し焼きにして、熱いうちにシェリービネガーをまぶしてつぶしておきます。青菜は3等分くらいに切って、すこしのにんにくと多めのオリーブオイルで蒸し煮にして、じゃがいもとあわせます。味付けは、塩とつぶしたての胡椒をすこし。
火を通したやさいはほんのり温かいくらいが味がよくわかります。つまり、出来立てからすこしたってから。食べてみたら、からし菜のようなちょっとツンとした野生的な香りが感じられ、続いてじゃがいものやさしい味がひろがりました。ビビッドなのに、包み込むような自然な味わいです。
パンはすべてをどっしりと受け止める広島はドリアンの傑作カンパーニュ。オリーブオイルをまわしかけ、塩をふり、にんにくをすこしこすりつけます。
あわただしい平日のお昼ご飯は、時間をかけずに簡素に、でもしっかりと満たされるものであってほしい。畑仕事のついでに収穫した野菜をごくシンプルな工程でつくってみると、そのプロセス自体がたのしくて、うれしくて、そうして、おいしさとその日生きる力に、つながっていくように思うのです。