ゆず仕事

 秋の恵みにうもれながら、そしてあたらしくはじめたツイッターにうつつを抜かしていたこともあって、すっかりブログ更新が滞ってしまいました。

 「なかなか更新されないなー」とたびたびのぞいてくださっていた方、ごめんなさい!心を入れかえて、これから週に1度は更新するようにします。
これからも、どうぞお付き合いくださいますようお願いします。

 さて、秋の覚え書きあれこれ。

 高知の11月といったらなんといっても柚子。
生産量は全国1位(54%のシェア)。あざやかな黄色い柚子が、あちこちに鈴なりになっています。産業としても盛んですが、このあたりではかなりのひとが「自分の柚子の木」を持っておられるのです。家族で収穫して、一年分のゆず酢を絞る、とも聞きます。

 「ゆず酢」は関東育ちの私にはなじみがありませんでしたが、柚子のしぼり汁のこと。瓶につめて保存して、1年間使います。専用の手動のしぼり機があって、簡単にどんどん絞れます。

 わが家には「柚子の木」も「しぼり機」もありませんが、ありがたいことに、毎年おすそ分けいただいています。先日は、ご自分で絞られた瓶につめた貴重な「ゆず酢」を手渡され、「わあ!」と歓声を上げました。そのままのゆずは冷蔵庫で保存してもせいぜいお正月くらいまでしか持たない一方、柚子酢はいつでも使えるので便利です。

 高知のひとは、何にでも「ゆず酢」を使います。お寿司、酢の物、お刺身。わたしはすし酢を作るとき、酢の量の半分を柚子酢にします。香りが上品で味わいが深くなります。柑橘ならではの清冽さも。なますも柚子酢を使うととびきりおいしくなります。

 わたしの今年のゆず仕事は「友人へ柚子を送ること」「ゆず茶」それから「柚子の塩漬け」。

 友人の住む北海道では柑橘がとれないそうで、無農薬のものは手に入りにくいとか。去年送ったらおおいに喜んでくれたのでした。 柚子風呂にもしてね、と伝えると「お風呂になんてもったいなくて入れられないから全部食べましたー!」とのこと。今年は「多めに入れたのでぜひお風呂に!」とメッセージを書き添えたのでした。

 ゆず茶は韓国の飲み物。薄切りにした柚子を砂糖に漬けて(砂糖の1.1倍)、そのまま常温で置くだけ。3か月後くらいから楽しめます。

寒い季節はお湯で割って、夏は水や炭酸水で割って飲みます。非加熱なので、酵素が生きているがうれしい。ジャムとしてもおいしい。わが家は1年熟成させて、冬のクリスマス菓子「シュトレン」やフランスの郷土菓子「パンデピス」にたっぷりと混ぜ込みます。

 「柚子の塩漬け」は、粗く刻んだゆずを15%-20%の塩と混ぜて常温熟成させます。半年以上熟成させて、インドのスパイシーな漬物「アチャール」をつくります。

  柚子をおすそ分けいただいたその日から、毎日お風呂にゆずを入れて「柚子湯」に。一日の終わりに柚子の香りのお風呂につかるしあわせといったら!

 冬至用のゆずと、お正月の柚子を忘れずに残しておかなければ。と思いながら、それでもまだゆずが少し残っているので、もうしばらく柚子風呂をたのしめそうです。