レタスの食べ方

 日照時間が伸びて、気温も上がってきたので、畑のレタスがぐんぐん育っています。じきにとう立ちしてくるので、せっせと収穫するけれど、とても追いつかないので、おすそ分けしたり、食べ方を工夫したりとレタス中心にめぐる日々です。

 わが家の一番人気は、シーザーサラダ。ひとりあたり、大きなディナー皿に山盛り二杯は食べます。あまりに量が多いので、一番大きな業務用ボウルでつくります。レタスは洗って、よく水気を切って(なによりも大事)冷蔵庫にいれておくと、ぱりっとします。ドレッシングは、刻んだアンチョビ、おろしにんにく、レモン汁かビネガーかお酢(あるいは数種を混ぜて)、たっぷりのパルミジャーノ、それからオリーブオイルと塩、つぶしたての胡椒。これはおいしいパルミジャーノがあるとき限定のサラダです。

 ふつうのサラダであれば、オリーブオイルにビネガー、梅酢、塩。シンプルでおいしいです。ポイントはまずレタスにオリーブオイルをしっかり纏わせてからその他のものを加えること。レタスがオイルでコーティングされて、水っぽくなるのを防ぎます。水っぽいサラダほど残念なものはなく、先日友人宅で一緒にサラダをつくったときも「きっちりと、可能な限り水気を切ってください」とつい、有無を言わせぬ口調で言ってしまいました。
 
 中華風のドレッシングもよくつくります。ごま油(あるいは菜種油+ごま油)、白すりごま、梅酢、醤油、酢で仕上げます。梅干しを作るときにたくさんとれる梅酢は「塩+酢」とみなして、しょっちゅう使います。強力な防腐作用はこれからの季節に心強いし、味わいも豊か。 炊けたごはんを混ぜるときに、3合あたりにスプーンにかるく一杯ほど(塩気も酸味も感じさせないくらい量)まぜておくと、傷みにくくなります。おむすびをつくるときも、かならず手水かわりに梅酢を使っています。 梅酢はほんとうによいことばかり、日本の誇る調味料だと思っています。

 そして、もしおいしい鶏肉が手に入ったなら、おろした生姜とにんにく、お酒と醤油にまるごと漬けて、片栗粉か小麦粉の衣で揚げたのを、食べやすい大きさに切り、大量の千切りレタスの上にのせます(ふつうの唐揚げでも)。さらに、上から香り野菜のドレッシングをざっとかけます。香り野菜は、生姜、にんにく、ねぎ、にら、みょうが、コリアンダーなどのうち、手近にあるもので。調味料は、菜種油、お酢、醤油、少量の砂糖、仕上げにごま油をすこし。わが家はこどもがいるので、なかなかかないませんが、赤唐辛子や生の青唐辛子を入れたらさぞかしおいしいだろう、と思います。肉料理は週に一度ほどですが、食べる時はかならず、最初にサラダをたくさん食べます。消化が断然よくなり、翌日も気持ちよく目覚められます。

 先日は、帰ってくるのがおそくなってごはんを炊く時間がなかったので、急遽パンとシャルキュトリー(加工肉)とサラダの夕食に。フロマージュ・ド・テット(豚の耳のにこごり)とレバーペースト(高知のみなさん、香美市のスーパーマーケット、バリューにありますよ!)、パンはいま我が家で大ブレイク中の広島はドリアンの巨大カンパーニュ(一個あたり2キロ)。それからサラダを大量に。ドイツではコールドミールといって、パンとシャルキュトリーだけの火を使わない食事スタイルがあるそうです。なんとなく寂しい感じがして、これまでぴんとこなかったけれど、なるほどどっしりとした酸味のあるパンとおいしいシャルキュトリーがすこし、サラダがたっぷりあれば、後片付けも簡単ないつもと違ったたのしい夕ごはんになるのでした。