あわせ野草茶

 高知では、今でも野草茶が日常的に飲まれています。「おばあちゃんがつくったはぶ茶を飲んで育った」とおっしゃる方、ひとくち飲んで、「これ、きし豆茶が入っているね」とにっこりされる方。野草茶はいまでも人々のくらしや記憶と結びついています。

 わたしが作るあわせ野草茶は、高知でよく飲まれるはぶ茶やきし豆茶をベースに、さまざまな野草、ハーブ、花びらをあわせています。手元にある素材でつくりますので、調合は毎回あたらしくなります。

 うっすらと甘いなた豆、こぼれ種から咲いたカモミール、清らかに香るヴェルヴェーヌ。自生しているもの、こぼれ種から芽が出たもの、種をまいたもの、ときにはおもいがけず、南や北の果てに住まう友人から素材が届くことも。

 最初から最後まで自分の手で、と夢見ていますが、すべて自給にはまだ遠く、土地の方が育てられたものも使わせていただいています。今年はベースとなるはぶ茶を育てはじめて2年目。種をついでゆくことを大切に、めぐる季節のなかでいそがずに、すこしづつ、と思っています。