2020/2/20
私たちの住んでいる高知は、温暖な土地ですが、山のふもとなので朝晩かなり冷え込むこともあります。
寒い季節に頻繁に食べる、わたしの心のよりどころとなっているのが、「にゅうめん」です。なかでも、体調を崩しかけて寒気がすると、途端に食べたくなるのが「風邪ひきにゅうめん」です。
材料は素麺、梅干し、生姜、海苔、醤油とたったの5つ。
作り方は簡単で、半分に折った素麺をゆでている間に、別の小鍋に2カップの湯をわかします。 梅干し1個をたたき、 生姜をたっぷりとおろし(体力気力に余裕があれば大根も)、海苔を半枚用意します。
素麺は半田素麺がとりわけ気に入っています。その絶妙な太さと5-6分というゆで時間も完璧。素麺だと2分程度でゆであがってしまうので、作業がおいつかないし、逆にうどんはゆで時間が長すぎて、待っているのが苦痛。ひやむぎでもほぼ同様のメリットがあるのですが、わたしの行くお店ではなぜか冬には姿を消してしまうのです。ひやむぎは夏の食べ物だから?
小鍋の水が沸騰したら、梅干し、ゆであがった素麺を入れて、ひと煮立ちさせてから塩加減をみながら醤油をひとまわし(おつゆは全部飲み干す前提なので、濃くしすぎないよう)。生姜を加え、さっとまぜて丼にうつし、海苔をちぎりいれれば、できあがり。
出汁なしの手軽さが決め手ですが(体調がいまひとつの時はとにかく省力化!)、海苔がだしの代わりになるので、質の良いものを、多めにいれるとおいしいです。
ごく地味ではありますが、もしかしたら、サンドイッチと同様、私が世界でいちばん好きな食べ物かもしれません。とはいっても元気な時はちっとも食べたくならないのが不思議で、ふだん食べたくなるのは、「たまごにゅうめん」(沸かしたお湯に鰹節を放り込み、麺を入れて温めて、最後に溶き卵を入れる。味付けは塩のみあるいは醤油をひとまわし)、自家製キムチと味噌の入った「キムチにゅうめん」だったりします。どちらも仕上げにごま油やラー油をたらしたり、ねぎをたくさん刻みいれます。おろし生姜もあればぜひ。
にゅうめんはごはんとして食べるのもいいけれど、じつは夜中におなかが空いたときに、思い立ってさっと10分程度でこしらえて、灯りをともしたしずかな台所でひとりで食べるのが、いちばんおいしい食べ方なのです。
冬の寒さもまだもうすこし続くので、これから幾度もにゅうめんをつくることになりそうです。