栗の食べ方いろいろ

 今年は栗が豊作らしい。あちらこちらから栗をいただく。こどもたちを、栗ひろいに誘っていただくことも。

 つやつやとした栗を見ると、縄文のひとたちのことを考える。どうやら栗は、縄文人たちの主食だったらしい。現代のわたしの台所では、ゆで栗、栗ごはん、栗のスープ、栗のパスタにクレープ。

 栗を見つけると、ほんとうに秋なんだ、と思う。そして、来る日もくる日も、台所で栗をむき続けるのだ。

 ということで、わが家の栗の料理法をご紹介します。

1.ゆで栗

 ゆで栗は、いちばんシンプルな食べ方。鍋にたっぷり水を張り、塩を入れる。中火にかけて、沸騰したら弱火にして、4-50分ゆでる。ゆで上がったら、湯を捨てて、水で粗熱をとる。

 半分に切ってスプーンでくり抜いて食べるのが一般的なようだが、栗がぽろぽろになったり、まわりに飛び散ったりして、おいしさが半減するので、丸ごとを包丁でむく。力が要るし、時間もかかるがおいしさにはかえられない。

 剥いてゆくうちに、どんどんスピードが上がり、最後の方には20秒ほどでむけるようになる。剥きながら、ときどき口に放り込む。40個ほど剥くと、最後には手が痛くなるが、達成感もあるので好きな食べ方のひとつ。

2.栗ごはん

 栗はじめは、栗ごはん。初物の栗をかならず栗ご飯にするのは、儀式のようなもの。生の栗を剥くのは難儀するが、最近よい方法に出会った。

 圧力鍋に栗とひたひたの水を入れ、火にかけて圧がかかったら1分加熱するだけ。生の栗を剥くのに比べると、3分の1くらいの労力でむけるという画期的方法!

栗ご飯の作り方

1.米を研いでざるに上げておく。
2.栗を圧力鍋で1分茹でてから剥く。1合あたり3-4個が目安。
3.一合あたり「酒大匙1と塩ひとつまみ」を加えて水加減する。
4.普通に炊く。

 もち米を2割くらいいれると香りも食感も良くなる。おむすびにしてもおいしい。

3.栗のスープ

 栗がたくさん手に入ったら、季節に一度はつくりたい栗のスープ。ポイントはベーコンを入れること。野菜をしっかり炒めること、栗はたっぷりいれること、そして最後にバターをおとすこと。

  栗を茹でて、むくので相当手間がかかりますが、その価値が十分にあるひと皿です。たっぷり作って、翌日すこし煮詰めてパスタソースにするのもおいしい。

栗のスープ の作り方

材料:栗、にんにく、 ベーコン、 玉ねぎ、人参、バター、塩

1.栗は茹でてむく。
2.なるべく底面積の広い圧鍋に、オリーブいオイルを熱し、にんにくのみじん切りを入れて弱火にする。にんにくは多め。
3.うすく色づいたらベーコンの細切りを入れてさらに炒める。
4.玉ねぎのみじん切りを加えて、火が通ったら塩一つまみを加えてさらに炒める。
5.人参のみじん切りを加える。
6.全体に火が通ったら、蓋をして蒸気をこもらせて「蒸らし炒め」する。
7.栗を4等分しながら鍋に入れ、炒める。
8.水を加えて中火にして、沸騰したら弱火にして20分ほど煮込む。
9.塩とバターを加えて味を調整する。

4.栗のクレープ

 カスタードクリームと生クリーム、茹で栗を刻んだのをあわせて、クレープに巻きます。たくさん食べられるように、クリームは甘さ控えめに。栗のほんのりとした甘さはクリームに負けるので、きざんだ栗に、はちみつを混ぜてからクリームと合わせます。

 たくさんつくって、おすそ分けしたり、翌日の朝ごはんがわりにしても歓声が上がります。

秋といったら栗。もういくつ栗をむいたことだろう。
それでも、栗がある限り、日々栗を料理を続ける幸せな季節なのでした。