2020/2/14
今年は1月の末から2月にかけて、友人のところでふきのとうを幾度も摘ませてもらいました。
かさかさとした落ち葉が重なる地面にしゃがみこみ、ほんの少し出始めたふきの茎と葉をたよりに、夢中になってふきのとうを探す時間は、春がわずかに、そしてたしかに見え隠れする特別な瞬間です。
春に先駆けて一番に顔をだすふきのとうのたくましさとつぼみの愛らしさ、ひらきはじめたときののびやかな健やかさ。切った時の鮮烈な香りに胸を打たれながらつくるふきのとう味噌。毎年作るたび、「今年も作ることができてよかった」と思います。
まずは天ぷらに、それからオリーブオイルでソテーにして。それでも一度にそんなにたくさんは食べられません。なので保存のきくふきのとう味噌をつくります。ちいさな瓶にたくさん作ればおすそ分けもしやすく、家でも常にフレッシュな状態のものが食べられます。
ふきのとう味噌の作り方
材料(目安として)
ふきのとう 700g
油(菜種油とごま油を半々)大匙3~
味噌300g
みりん 大匙2~
てんさい糖(黒糖でも) 好みで
あれば入れるとおいしくなるもの:オリーブオイル、白ワイン、日本酒
瓶は煮沸消毒して乾かしておきます。
ふきのとうはごみをとって、短時間で水洗いしてよく水気を切っておきます。わたしはサラダスピナーでしっかり水を切ります。
ふきのとう味噌のレシピは、最初にゆでる方法も多く見受けられますが、茹でたときの水分が気になるのと、味がすこし抜けるような気がするのでたいてい生のまま炒めます。
鍋に多めの油を熱して、ふきのとうをを刻むそばから鍋に投入します。あくは油で制します。切り口をなるべく空気に触れさせないように、一度につき5個くらいを刻んでは素早く鍋に入れて油となじませる、を繰り返します。途中、何度か塩を一つまみ振り入れます。ふきのとうがかなりの量入って、油が足りないと感じたら足します。
最後まできざみいれたら、しっかり炒めます。焦げ付きそうだったら、水分(みりん、日本酒、焼酎、ワイン、なければ水でも)を鍋肌に加えます。
みりんを入れて、アルコールを飛ばすようにいためます。ここでさらになんらかの手元にあるアルコール分をいれると味に複雑さと深みがでます。今回は飲みかけの白ワインがあったので入れたら、わずかに洗練された風通しのよい味になって、好みでした。
炒めあがったふきの目分量の3分の1の味噌を入れて、弱火で数分火を入れます。味を見て、弱いと感じれば味噌を足し、甘みがほしければ糖分を加えます。味噌の塩分量と味はそれぞれなので、味を見ながら調整します。甘みは加えなくてもきりりとしてよいですが、やっぱりちょっと甘い方がほっとするおいしさになります。
コツはふきのとうを入手したらできるだけ早く作業すること。野のもの、ことにアクの強いものは鮮度が命です 。 それから切ったらすぐに油となじませるのが大事だと思ってます。 加えて小瓶にいれるのは意外と大事。フレッシュさをたもちながら、いつまでも食べられます。と書きつつも忙しくてすぐに作業にとりかかれないこともあります。できれば濡らした新聞紙に包んでポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。それもできずに常温で放置して、すこししんなりしてしまったものでもふきのとう味噌にすれば、けっこうおいしくできるのでご心配なく! (その場合は酒類を多めにいれるといいです)
ご飯のお供に、おむすびの具、お弁当に、お酒のあてに、お茶漬けにも。こふきのとうみそをのせたフォカッチャも作ってみたらなかなかおいしかったです。ふきのとう味噌の作り方はごく簡単なのですが、作る習慣のない人も多いので、おすそ分けしても喜ばれます。
保存は、冷蔵庫で1カ月~保存可能(未開封で。開封後は1週間を目安に)。保存食であっても、なるべく早く、がおいしく食べる秘訣だと思っています。