2020/8/18
毎年夏休み恒例の、友人家族の来訪。話したことはたくさん、こどもたちも総勢5人でにぎやか。3度のごはんはできるだけシンプルに、そしてたのしく。今回つくった「薬味の鶏ごはん」は、好評だった。シンプルな料理なのに、薬味の種類を増やすだけで、不思議とごちそうの雰囲気になる。食べる量も、薬味の組み合わせも、それぞれが自由に「自分で完成させる」スタイル。今回は友人が丁寧に鶏肉を割いてくれたが、時間がかかるので、手伝いがいないときは鶏肉は薄めにスライスしてもいい。ごまをすったり、薬味を切ってもらったり、できるかぎり手伝ってもらうのもおいしさの秘訣だと思っている。
【作り方ダイジェスト】
1.前夜に鶏肉をゆでて、ゆで汁ごと冷蔵庫で冷やしておく。
2.ゆで汁でご飯を炊く。
3.鶏肉を細く割いて、軽く味付けする。
4.たれをつくる。
5.薬味を用意する。
6.ご飯に、鶏肉、薬味をのせ、たれをかけてでき上がり。
【作り方】
1.鶏肉は塩をすりこみ、日本酒をかけてしばらく置いておく。鍋に鶏肉がかぶるくらいの水を入れる。生姜とにんにくの薄切り、レモングラス、黒胡椒、玉ねぎ、プチトマト数個、塩と鶏肉を入れ、沸騰したら弱火にして火が通ったらそのまま冷まして冷蔵庫へ。鶏肉をゆで汁から出すと肉がパサつくので、漬けたまま保存すること。香味野菜やハーブなどは、自由なインスピレーションで。鶏肉のくさみが中和され、よい風味がつけば何でもよいのです。
2.漉したゆで汁+塩でご飯を炊く。水加減は普通通り。
3.鶏肉は細く割き、塩とごま油、醤油で軽めに味を付ける。
4.たれは東南アジア+醤油とごま油。瓶に、青唐辛子とにんにくの薄切り、ナンプラー、砂糖、柑橘果汁(レモンやすだち)、梅酢(酢)、醤油、ごま油を入れてよく混ぜる。そのままだと味が濃すぎるので、水で割る(たれの半量ほど)。砂糖が溶けてから味を見て、足りないものを足す。
5.薬味は手元にあるもので薬味になるものはなんでも使う。みょうが、万願寺とうがらし、おくらは薄切りに。きゅうりは千切り、生姜は細切り、赤玉ねぎと青じそはできるだけ薄く切って氷水に晒してからよく水気を切っておく。ゴーヤは薄切りにして塩してしばらくおいてから水にはなち、よくしぼる。 いりごまはさっと火をいれてから半ずりに。すだちは半分に切る。それから粗びきの黒胡椒。種類の多いとごちそうになるが、きゅうりのせん切りとすりごまだけでも実は十分おいしいので、手元にあるものを、無理のない範囲で用意する。
6.お皿の上にターメリックの葉をのせ(ワイルドな気分に!使い終わったらそのまま畑へ)、ご飯、鶏肉の順にのせる。鶏肉の上に黒胡椒をふり、赤玉ねぎをのせてすだちを絞る。鶏肉に黒胡椒と赤玉ねぎが触れるようにして、赤玉ねぎにはすだちが浸み込むようにする。この二つがポイント、あとは各自が好きなものをすきなだけ、重ね乗せ、たれをかけながら食べる。
友人がおみやげにと持ってきてくれた瓶ビールと、ワインを飲みながらの午餐。知り合いが作ったというワインは、原点を感じさせる味わい深さがあった。再会にふさわしい、特別なワイン。
薬味はほとんど畑から。買ったものは、お米と鶏肉、白ごまに調味料くらい。料理にあわせて買い物をするのではなく、手元にあるものを最大限使える献立にする。豪華さはないかもしれないが、日々のささやかな暮らしをシェアするような、そんなおもてなしのかたちがあってもよいのではないかと思う。